REPORTプロジェクトレポート

やぶ市民交流広場YB fabレポート[PART.3 最終回]

PROJECT REPORT

課題3:市民が愛着を持ち積極的に運営に関わるには

イベントで認知度を深め得られた知見を運営に反映

やぶ市民交流広場YB fabレポート[PART.3(最終回)]では、「竣工後も市民の方々が愛着をもって運営にかかわっていただくためにどのような取り組みをおこなったか」そして阪急CMがコンサルタントとして感じたこと・学んだことをレポートしていきます。

愛着を深める様々なイベントの実施と開館後の賑わいにつながる仕組みづくり

プロジェクト開始時点では、このプロジェクトへの市民からの関心は決して高いとは言えませんでした。また、市の人口が今後減少していく状況において、施設の維持管理費を低減させることと、市民が主体となって企画運営に積極的に関わることが求められていました。それらの課題に対して阪急CMは、施設完成前から市民に愛着を持ってもらうためのイベントの実施と、それを開館後の賑わいにつなげる仕組みづくりで応えました。

敷地見学会/ママさんとの市民ワークショップ

まずは市民や高校生を対象に、施設の使いこなしのアイデアを考える「市民ワークショップ」(以下、市民WS)の開催を提案。ワークショップに知見のある大学の研究者や文化施設のプロデューサー、市民会議の参加メンバーで組織された「YABU盛」などと協働し、ワークショップの企画立案と実施支援を行いました。この市民WSで提案された800以上のアイデアをもとに、実際に複数回テストイベントを実施。また、将来の施設運営に多様な展開を持たせることを念頭に、イベントでは市内の高校や市外の大学、短大、各種団体との連携も図りました。

そしてこのテストイベントで得た知見は、阪急CMが作成支援を行った運営マニュアルの一部としてまとめられました。これらは、将来的に市民がイベントを自主的に企画・実施する際の手引きとして活用できるようになっています。

高校生との市民ワークショップ/ハーベストウェディング

オーダーメイドのCM方式がプロジェクトの成功に!

高度経済成長期に建てられた各種公共施設の建替え需要は現在ますます増加しています。とりわけ専門分野ごとに多くの技術者を抱えられない小規模な地方自治体では、社会構造の変化や市民ニーズに対応しつつ、どのように建替えを進めるのか、その手法の開発が求められています。特に、ホールや図書館、美術館、公民館のような文化・教育施設においては、建築における様々な技術的問題を解決するだけでなく、市民の気持ちを聞き出して意見としてまとめ、それらをプログラム化・空間化しなければなりません。

つまり、このような建設事業へのCMRの参画には、ハード面のマネジメントという従来型の業務に加えてソフト面のマネジメントも重要な役割となるわけです。発注者と設計者・施工者及び市民とが、緊密な意思疎通を行い、円滑な合意形成を行えるプラットフォームの構築や、大学や高校、文化芸術団体など地域内外の様々な団体や人材との連携、そして市民から得た意見を具体的かつ的確に計画に反映する仕組みづくりが重要となります。

まとめ

我々阪急CMは、発注者に応じたオーダーメイドの「CM方式」を、小規模自治体の建設事業はもちろん、用途や規模を問わず様々な建設事業に展開することが可能です。プロジェクトごとの特性に合わせた最適なプロセスの構築によって、発注者を確実に成功へ導くことが我々の使命であると考えています。

YB ファブ全景

御精読ありがとうございました。
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