REPORTプロジェクトレポート

TAKEYA 1 PROJECT REPORT[Part.2]

PROJECT REPORT

最適な予算・工期で進める為の推進方式とは?

初期段階で施工者を内定、各社技術力を結集


既存建物群が密集する計画敷地は、情報も古く、解体費の計上が困難である上に、計画上、地下3階まで掘削することから工期の長期化が予想されていました。このため総工費が読めない状況にあり、設計事務所と計画を進めるだけでなく、ゼネコンへも工事に係るヒアリングを実施し、設計段階から施工者を特定し、解体計画から設計まで幅広く施工者をかかわらせる方向へと舵をきっていくことになりました。

設計開始前にゼネコンを特定

阪急CMは、工期、コストの合理化を図るべく、基本計画が完了した時点で、ゼネコン各社に超概算工事費や必要工事期間の提案を依頼しました。各社とも工期長期化の見解は同じでしたが、うち1社(前田建設工業)はコスト・工期削減手法に意欲的な提案を提示したことから、設計開始前に施工予定者として指名することになりました。当初、基本設計までは設計事務所と共に進め、その後、実施設計と工事を行うゼネコンを選定する予定でしたが、その特定を早める形となりました。

設計事務所とゼネコンの役割を明確化

これによりプロジェクト体制にも変更を加えました。設計業務を意匠設計と構造・設備設計に分離し、建築デザインを得意とする設計事務所には意匠設計と全体統括業務を、ゼネコンには構造と設備の基本・実施設計を依頼しました。構造・設備は、工事費に占めるウエイトが大きくゼネコンが特に合理化を得意としているためです。さらにゼネコンには施工者の視点で設計全体へのコスト・工期合理化提案業務も依頼しました。前述のように、構造・設備設計もゼネコンが行うことから、全体としてハイブリッドなプロジェクト推進方式になったといえます。

実施設計開始前に工事請負契約を締結

特に特徴的だったのは、基本設計終了後に新築工事の工事発注を行ったことです。当時、設計を進めながら地下解体を行っていましたが、通常の工事発注だと、地下解体完了→埋め戻し→新築着工→地下掘削、という無駄が生じ、時系列的に基本設計終了時点で工事契約を締結することが最適であったためです。実施設計が工事発注後に行われる前提となりコスト増額がないように詳細設計を進めることが課題となりました。

次回[Part.3最終回]

次回[Part.3最終回]では、複合化する諸条件や要件再設定に対応しながらも前倒しでの竣工を実現させた取り組みをご紹介します!

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